ryuichy blog

2005年08月17日

2005年8月16日

●ご先祖さまからのおくりもの 〜其の壱〜

今年のお盆はめずらしく休みが取れたのでちゃんと田舎に帰って、
じいちゃんばあちゃんの墓参りをしてきた。
ばあちゃんは去年あの世に旅立ったんだが、
ろくに挨拶もできぬままだったのでこれからはちゃんと
今までのお礼をしなきゃあいけない。
僕がこれからもまっとうな人間として生かしてもらうためにも、
ご先祖さまにはきちんと手を合わさなきゃならん。

炎天下の真夏日、盆の長崎。
照りつけるお天道様が先日の釣りで全身赤黒く焼けた俺の肌をさらに過酷に痛めつける8月14日。
あの有名なオランダ坂をのぼりきった山の上、
長崎港が一望に見渡せる場所に僕のじいさまとばあさまは質素な墓石の下に眠っている。
母と僕は吹き出す汗を拭いながら長くて急な坂をのぼり、
一度台風で倒れて傷がついた墓石にたっぷりと水をかけ、
プロレス(全日)の大ファンだったばあちゃんを思い返しながら
猪木(新日)のような感じでやや強めに
「ばあちゃんばあちゃん!」
とぺしぺしと墓をなでなで&ぺしぺししたのであった。
寡黙だったじいちゃんは何も言わず。
あの頃のように黙ってぼくにオロナミンCの栓を「ぷしっ」とぬいて渡してくれるようだ。
貧しい二人だったが、仲のよい、お似合いの二人だった。


墓前に手を合わせ、母も安心したようで
「よかったよかった」とこぼし、ぼくら二人は墓地を下った。
母は終戦後の長崎の様子などを話しながら、
ああ明日は精霊流しやねぇ、
昔と違って最近の精霊流しはずいぶんおとなしくなってねぇ、
そういえばあんたは小学2年のときに精霊流しの爆竹にまみれて火傷して大変やったねぇ、
と目を細める。
港から吹き上げる立秋の風が、
すっかり白髪が目立つようになった母の前髪を何度もかきあげては乱していた。
登るときには吹き出るようにでた汗もすっかりひいて、
墓地特有のひんやりとした夕暮れの空気に僕も母と同じく、
ご先祖さまの御霊に見守られる安堵感につつまれ、
僕らは墓地の下に停めていた車に向かった。


****


(警官A)「あら。こんワゴンはおたくんと?」(=おや?このワゴン車はあなたの?)
(筆者)「あっ。。。そ、そうです。」
(警官A)「こらへんにこげーん停められたら困っとですよ。苦情もしょーっちゅー出っとですよねぇー」(=この辺りにこのように停車されては困る。苦情もよく出る。)
(筆者)「すいません、この辺りは駐車場もなくて、ここしかなかったもんで。一応他の車も通れるようには停めてたんですけど。ちょっとこの先の上に、墓参りに。」
(警官B)「そいはわかっとっですよ。だけんちゅーて停めてよかってゆうもんでもなかですけんね。はい免許証ば見して。」(=それはわかっているが言い訳にはならないから免許証を出せ)
(筆者)「でも他にもたくさんみなさん停めてますよ。今日はお盆じゃなかですか。ここは墓地でしょ。」
(警官B)「そげん言われてもねー。処理します。」(=うるさい違反だ。切符切る。)
(母)「あんたたちは盆やけんていうて墓参りにきた他県ナンバーばそげんして点数稼ぐとね」
(警官A)「いやいやいつもここは巡りよる区域ですよー、はい免許証ば見して。」


****


あいたー。
じいちゃんもばあちゃんも、人ん悪かー。
確かに墓参りに線香ば忘れた俺も母親も二人そろってあんまりやけど、
だけんちゅうて貧乏の俺から、ましてやゴールドカードの優良ドライバーになったばっかりの俺から一万五千円もの大金ばむしり取らんでもよかろうもん。

しかも墓参りの直後に。


ん!?
ちょっと待てよ?こんな無慈悲な展開はひょっとして・・・?
あー!そうかそういうことやね!

(其の弐へつづく。)

Posted by ryuichy
2005年08月17日 04:13




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